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Note from daily life.

メディアパワーってなんだ? エンゲージメントを考える散漫なメモ

Posted at — Aug 6, 2019

メディアパワーの定義を考える

私が考えるメディアパワーとは「情報伝達力」であり、「深さ」と「広さ」の2種類の変数から構成される。 どちらも複数の意味を持つことができるが、例えば「深さ」とは「専門性」や「信頼性」、「広さ」とは「購読者数」や「接触者数」を当てはめてみよう。

メディアパワー

専門性が高く、購読者数が少ないのは専門誌であったり機関誌、ドキュメンタリー専門の有料チャンネルのような趣味性が高い有料媒体かもしれない。 接触者数が多く、一方で信頼性が低いのは、昨今問題になった転載ばかり・デマが多いどこかのサイトかもしれない。

では、購読者数が多く、信頼性が高い場合はどうだろうか? 情報の伝達力が高い、つまり多くの人に広く伝えられ、伝えた情報が個々から信頼される媒体。

ここで注意したいのは、「信頼」はあくまで報道している内容の質(確からしさや着眼点)に対する評価であって、情報が鵜呑みにされるたり盲目的に信じられるような短絡的な話ではない。 事実を元にした問題提起を行うことで議論が起こることも十分有意義で、個人の情報発信も容易な現代ではきっかけ作りができれば有益な情報を取捨選択していくことも可能になるだろう。

メディアパワーを「第四の権力」という表現をする場合もあるが、個人的には実感が湧かない。2019年に至ってもメディアパワーは「権力」と言えるだろうか?

メディアパワーの上に成り立つこと

メディアパワーがあるからこそ、サブスクリプションで収益化に向かうことができるのは当然だが、「情報伝達力」が認められるからこそ広告ビジネスも成立する。 メディアパワーが無い、つまり接触する人数が少なく、情報も信頼されない、となれば広告を掲載しても何も宣伝にならないだろう。

誰と何する?

この次の記事でエンゲージメント指標と組織的な指標定義について整理したいと思うが、その前にマーケティングの根本的な考え方「誰と」「何をするか」を考えたい。

まずメディアパワーの広さ軸で考えると、接触できる人を増やさなければならない。そのためには対象となる人々がそもそもどういうグループなのか、その周りは誰なのかを考える必要がある。 「誰」はマスメディアであれば国民全員かもしれないし、地方紙ならばある地域やその地域の出身者、機関誌や業界紙であればそれぞれの市場になるだろう。

「何をするか」は、一方通行なコミュニケーションが主流だった一部メディアでは新しい感覚かもしれないが、「どうして欲しいのか?」を考えなければならない。 情報を生活で活用してもらうとか、誰かに伝えてもらうとか、フィードバックが欲しいとか、そういったインタラクティブな関係に移っていくことが必要だと思う。

このとき、「気に入られたい」とか「満足度を上げたい」という思いを持ち込んではいけない。 自社と親和性の高いセグメントを探すとか、既存の視聴者や読者の興味関心を意識するとか、ソーシャルメディアの意見に迎合するとか、それはもはや信頼を損ねるし、問題提起や事実を伝える役割が発揮できない。 まして個人の主観での評価に全て答えるコンテンツは作りようがないし、「差し支えのない」コンテンツは誰にとっても価値をもたらさない。

コンテンツに対してフィードバックを得られる場合(アンケート、レビュー、ソーシャルリスニング、等なんでも構わない)に、ポジティブな意見とネガティブな意見が出るはず。 そしてその中には、コンテンツの構成や調査の質についての意見もあれば、自身の意見との適合性や政治や宗教といった思想に基づく意見もあるだろう。

無反応の人々の存在

しかしメディアパワーについて考えるとき、賛成でも反対でも、その人達はコンテンツを咀嚼して評価することに時間を割いている、その価値があるということの裏付けと言えるのではないか? 逆に、全く無反応の、現在接触できていない人達こそ「誰」であり「何をする」かを考える相手なのではないか?

エンゲージメント

「エンゲージメント」という言葉がデジタルマーケティング界隈で使われるようになって久しい。 しかし一方で言葉の曖昧さによって、ソーシャルメディア上での「いいね」を押した回数をエンゲージメントという人もいれば、 ユーザーの習慣化を数値化してエンゲージメントスコアを計算するという場合まで、様々な指標が「エンゲージメント」として語られ、文脈によって全くといって良いほど別の事象を扱っている。

エンゲージメント

「engagement」という言葉は「AとBの関わり」のような事象を表すので、人間関係の深まり(ポジティブに聞こえる)に当てはめられることもあれば、 システムの連動(Maximum Warp, Engage!)にも使われるし、戦地で交戦開始(ネガティブに聞こえる)を指すこともある。

メディアパワーとエンゲージメント

メディアパワーの維持向上のために「誰と」「何をする」を考える上で、「エンゲージメント」が究極の目的になるのではないか、ということを今後書いていきたい…